フライフィッシャーが実践すべきクマ対策【本当に大丈夫?】

フライフィッシング


晩秋の頃より、クマによる人身被害が、多数報道されています。
昼夜を問わず活動し、ヒトに対する警戒心の薄れた、アーバンベア(都市型のクマ)が増えているのが、最近の傾向なんだとか。

釣り場周辺に暮らす古老の話しでは、クマが主食にするドングリの凶作と、里山集落の高齢化による耕作放棄地の増加が原因ではないかと。

2023年、晩秋の犀川における1週間の車中泊釣行で感じた、フライフィッシャー目線からのクマ対策について紹介します。

カウンターアソールト

元祖、クマ撃退スプレー カウンターアソールト 噴射到達距離9.6m 攻撃してくるクマに対し、トウガラシ抽出エキス(カプサイシン)を噴射し、追い払います。
主成分であるトウガラシの辛さの単位(スコヴィル値:SHU)を比較すると、市販の護身用スプレーが200SHU前後のところを、本製品は320万SHUという、刺激(辛さ)の強さを有します。
また、本体底面には、使用期限が明記され、信頼性と安全面でも配慮がされています。

使用上の注意点
①ホルスターで携行する
想像してみて下さい!興奮しているクマを目前にして、退路の有無、噴射のタイミング、クマとの距離や風向きをはかり、震える手で安全ピンを外し、噴射レバーを引かなければならないのです。
その一大事に、スプレー缶はベストのバックポケットの中….という恐ろしい展開は、絶対に避けたいですよね。
今回の釣行は、ホルスターの手配が間に合わなかったため、ペットボトル用のボトルクーラーを代用し、ウェーディングベルトに吊り下げていました。

②保管方法
猛烈な刺激(辛さ)を売りにする本商品ですが、万が一、移動中の列車やクルマの中、屋内、人混みなどで「誤射」してしまったときは、管理不行き届きによる、お咎めと相応の出費、場合によっては損害賠償を請求されるかもしれないことを、覚悟しておくべきです。
説明書を熟読し、取り扱い方法は熟知しておきましょう。

自分のクルマや自宅の部屋での誤射は絶対に避けるべきです。
結束バンドでセーフティクリップを再びロックして円筒状の缶に入れ、クーラーボックスで厳重に保管しています。

最近、スコヴィル値の低い対人用の催涙スプレーが「クマ撃退スプレー」と称して販売されています。
賢明なFFは、ご自身の大切な命を守るためにも、元祖クマ撃退スプレー「カウンターアソールト」をご指名ください。
価格は、コンプリートスキンと同じくらいです。
けっして安い買い物ではありませんが、命を守る必需品と割り切り、購入されることをオススメします。
くどいようですが、くれぐれも「誤射」には、気をつけましょうね。

ホイッスル

自分の存在を、大音量で周囲に知らせることで、クマとの不意の遭遇を防ぎます。
当然ですが、ヒトに興味を示し、自分から近づいてくるような個体には逆効果といえるでしょう。

ホイッスル音に怯えたクマが逃げた先に、別の人が居た場合は、二次被害に遭わせてしまう可能性がある。など、諸説ありますが、見通しの悪い林や、藪に分け入るとき、誰もいないランを釣り下っているとき、水辺に「四つ脚系」の足跡を発見したときなど、不安に思う胸の内を、けたたましいホイッスル音と共に、大音量で思いっきり吐き出す行為は、FF自らができる「積極的な防御」ともいえ、心強いものがありました。

ベアベル

こちらの存在を「鐘」や「鈴」などの鳴り物でクマに知らせ、不意の遭遇を防ぎます。
クマの聴覚が、どれ程のものか、知るよしもありませんが、無いよりはマシ。といったところでしょうか。
瀬音にかき消されないよう、100均製のベアベルに、お遊戯用の鈴を組み合わせ、音程差のある「鳴り」がするよう工夫しています。
ベアベルは、宙に浮いているときは、透んだ音が鳴り響くのですが、なにかに触れている状態では、イマイチ響きが足りないため、取り付け位置に工夫が必要です。

最近では、このような工夫のされた商品も販売されているようです。便利ですね。

ナイフ

スプレーの噴射が間に合わないケースを想定し、シースナイフを携帯しています。

運悪く丸腰でクマと対峙することになってしまったときの対処として
うつ伏せに寝転んだ姿勢で腹をガード、両手を後頭部で組み、頭と首筋、顏をガード
一般的にいわれる「防御の姿勢」でクマの攻撃から、ひたすら耐えることは想像できません。
ムリです、絶対に不可能です。

「ヤラレル前にヤル」斜め掛けにした胸元のシースナイフで、最悪の事態に備えます。

水辺からのメッセージ

水辺に残された動物の足跡に、いま一度注目してみましょう。

野生動物(四つ足系)の足跡は、常に水辺と平行に残されていますよね。
里山周辺のアーバンベアが、川沿いに移動していることが、最近になって知られています。

あなたが夢中になって、キャスティングしている背後の繁みを、こっそりとクマが移動しているかもしれないのです。

何かのタイミングで、クマと鉢合わせすることは、十分に考えられますよね。

クマ被害について、さまざまな立場からの、ご意見や情報、警鐘が数多く発信されています。
来シーズンの釣行を不安に感じているフライフィッシャーも多いことでしょう。

正直なところ、今回の釣行は迷いました。本当に、本当に怖くて仕方がなかったです。

・釣り場に到着し、身支度の間は大音量でカーステレオを鳴らしました。
・食事や休憩はクルマを背にした位置にチェアを配置し、死角からのクマの接近を警戒しました。
・昼寝は、リヤゲートを閉め切った車内でしました。
・真夜中の小用で車外に出る時も、クマ撃退スプレーを片手に用を済ませました。

結果、クマとの遭遇は無かったです。
一連の対策が功を奏したからか、偶然クマの生息域から外れていたからなのかは、わかりません。
最近の山村地域では、自治体が積極的にクマ被害や目撃情報を公開しています。

釣行を予定している地域にクマの目撃情報がないから大丈夫。
などと安心していると、あなたが、第一の目撃者(被害者)になるかもしれないのです。

最後に、本音でお伝えしておきたいことがあります。

・相手は腹を空かせた野生の動物です
・クマの特性は個体ごとに異なります

「人間の勝手な推測や思い込みが通用しない相手である」

ということを、深く肝に命じておきましょう。

クマの生息域で釣りをすることを決断したのは、あなたご自身です。
どうぞ、ご自分の責任で、命がけの釣行をなさってください。
そして、無事に帰宅されることを約束してください。

大物が釣れますように!

コメント

タイトルとURLをコピーしました